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[C3] 読まなきゃ!

でも、英語の本なんて、著者本人に読めとでも言われない限り、とても読めたもんじゃない。タシ・ツェリンの本がそうだった^^;

[C4] たしかに

英語だと時間かかっちゃいますよね~。
僕は逆にタシ・ツェリンの本は、まだしっかりとは読んでいません(読まなきゃいけないんだけど)・・・。

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Book Review: "A Tibetan Revolutionary" (2)

前回あらすじをご紹介した"A Tibetan Revolutionary"について、今回は感想なんぞを書いてみようかと思います。

まず、「チベット人」でありながら「革命家」という点。とかくチベットをめぐる政治関連の書物だと、チベット=仏教を信仰する善良な人々、中国=社会主義の名の下にチベットに入ってきた侵略者という図式がある中、両者の狭間にあって何とか和解を実現しようとしたプンツォ・ワンギェという人物の重要性を感じました(そこに着目した編者のGoldsteinも鋭い)。1959年のチベット動乱も、彼がその時チベットにいたら事態は変わっていたのでは・・・と想像せずにはいられません。もっとも、こういうところが漢族からは「地方民族主義者」と言われ、チベット人からは「民族の裏切り者」と言われてしまうのかもしれませんが・・・。

次いで、この本は中国の中堅幹部の口から語られる内部の証言という点でも貴重です。彼が最も活躍した50年代、毛沢東や周恩来らとチベット統治について度々会話を交わすのですが、こういうところは外からだとなかなか分からないので、非常に新鮮。また、チベットに進駐した解放軍指導部にも、統治方針をめぐって見解の相違があったようで(これが後にプンツォ・ワンギェ失脚の一因となる)、中国側も一枚岩ではなかった様子が伺え、参考になります。70年代末に復活した後、胡耀邦から実質的なチベット自治区主席就任を打診される時の描写も、興味深いものがあります。この話は結局、プンツォ・ワンギェの方が固辞するのですが。ちなみに彼は90年代にも江沢民に会って少数民族問題について意見具申するなど、精力的に活動を続けているようです。

共産党幹部でありながら、弁証法についての研究者というのも興味深い側面です。もっともこれは元から研究していたというよりは、18年間に亘る獄中生活の中で正気を維持するための手段としてヘーゲルらの著作を読んでいたことによるものですが。釈放後、執筆活動に入り、この分野について何冊か本を著している他、今でも、中国社会科学院で教授を務めているようです。この他に彼は『月には液体が存在する」なんて本も書いているようです(漢語版に加え、民族出版社からチベット語版もあるとか)。

ちなみに、以前、「チベット式」(by 長田さん)で紹介されていた『藏人文化網』にも、プンツォ・ワンギェの経歴紹介があったりします(結構詳しめ)。漢字だと「平措汪傑」ですね。写真も何枚か掲載されています。

ダライラマ法王も今年の3/10声明の中で、この自伝について触れ、彼を「著名な尊敬すべき指導者」の一人としています。1954年にパンチェンラマ10世とともに北京を訪問した際、通訳として随行したプンツォ・ワンギェのことを法王はインド脱出後も気にかけていたようで、1978年に法王の兄が訪中した時にも彼の安否を確かめてくるよう指示したほど。

あれこれ書いてみましたが、この本はチベット現代史を学ぶ人なら一度は目を通すべき貴重な資料であると感じた次第です。蛇足ですが、平易な英語で書かれているので、厚さ(本文だけで約350ページ)の割にそれほど時間はかからないと思います。なんか読んでて英語が上手くなったんじゃないかと錯覚させられます(^_^)/
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[C3] 読まなきゃ!

でも、英語の本なんて、著者本人に読めとでも言われない限り、とても読めたもんじゃない。タシ・ツェリンの本がそうだった^^;

[C4] たしかに

英語だと時間かかっちゃいますよね~。
僕は逆にタシ・ツェリンの本は、まだしっかりとは読んでいません(読まなきゃいけないんだけど)・・・。

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プロフィール

ryohei

  • Author:ryohei
  • 大学院で現代チベット研究をしています。
    4年前、中国・北京で仕事をしていたときに何故かチベットに
    目覚めてしまい、今に至ります。

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