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アメリカ大統領選挙とチベット情勢

依然として混沌とした状態にあるチベット情勢ですが、ここでは米国大統領を目指す候補者たちのコメントが出揃ったので紹介してみます。チベット情勢に対し国際社会が如何なる対応をとるかを考える上で米国の姿勢は最も注目されるところですし、大統領選でも米国の対中政策の一環でこの問題は重要な位置を占めるものと思われます。

候補者のうち、最も早くに(3月14日)コメントを出したのは、バラク・オバマ上院議員。「チベット仏教僧による平和的抗議行動の勃発の中で中国当局によって行われた弾圧と拘束について、深く憂慮(deeply disturbed)している」「平和的抗議行動を取り締まるために武力を用いられていることを非難するとともに、チベットの人々の基本的人権を尊重し、拘束されている仏教僧の所在について明らかにするよう中国政府に対し呼びかける」としています。

また、中国とダライラマの間で続けられてきた非公式対話についても触れ、対話を行っているのはよいことだとしつつも、「中国はこれまでのところ対話の中身の部分で柔軟な姿勢を見せていない」「チベット側の対話継続の求めにも関わらず、前回の協議日程を遅らせてきた」と指摘し、中国側の姿勢を批判しています。

さらに声明では、チベットの宗教と文化が尊重・保護されなければならないとした上で、「チベットに真正の、意味のある自治(genuine and meaningful autonomy)が与えられるべき」としていますが、これはダライラマが常々使っているのと同じ表現ですね。この他にも「ダライラマの帰還につながるプロセスの一部として、彼が中国に招かれるべきである」と述べられているなど、オバマ上院議員の声明からはかなり踏み込んだ姿勢がうかがえます。

→全文はこちら

オバマ上院議員と民主党の指名獲得を争うヒラリー・クリントン上院議員も3月15日、「チベットのラサで発生した暴力的な衝突について深く懸念している」とする声明を発表しました。その上で、「全ての当事者、特に中国の治安部隊が直ちに抑制された対応をとり、人権への尊重を示し、市民を危険から守る必要がある」「この紛争がさらにエスカレートするのを防ぎ、直ちに平和的な手段により解決を見出すよう中国政府に呼びかける」としています。

声明では続けて、議会でのチベット関連法案の共同提案者になってきたこと、ダライラマと会見した経験、中国の江沢民国家主席(当時)にチベット問題についての姿勢を質したことなど、以前からチベットに関心を持ってきた実績が強調されています。

→全文はこちら

他方、共和党の指名を確実にしたジョン・マケイン上院議員は3月21日、訪問先のフランスのパリで記者団の質問に答える形で、中国のチベット弾圧は「正しくない」とした上で、「人権が尊重されなければならない。この問題について、中国が平和的な解決策を積極的に求めることを期待する」と述べました。また、サルコジ大統領との会談でチベット情勢は話し合われなかったようですが、「今日自分が大統領だとしたら最初に持ち出す議題の一つになっていただろう」と説明したようです。→英紙『ガーディアン』の記事

チベット情勢:80年代との比較を中心に

先週から一挙に緊迫してきたチベット情勢。

ラサにおける僧侶の対中抗議活動に端を発したデモは流血の事態となり、多数の死傷者が出ているようです。また、ラサのデモは鎮圧されたという情報があるものの、他方で四川省や甘粛省、青海省のチベット地域に抗議活動が拡大しているとも報じられています。

*これまでの事態の展開については、すでにちべ者さんや長田さんのブログで詳しくまとめらているので、そちらをご参照ください。

◆「ちべ者」ラサの情勢緊迫(これまでのまとめ)他
→ http://55tibet.way-nifty.com/tibemono/2008/03/post_7c87.html
◆「チベット式」【2008年チベット動乱】よく聞かれる質問集 
→ http://tibet.cocolog-nifty.com/blog_tibet/2008/03/2008_dafb.html

今回の事態が報じられる際に、よく「ラサで1989年3月に戒厳令が布かれて以来最大規模」と言われますが、ここまで(3/17現在)の基本的なパターンは1989年の戒厳令施行に至った時とよく似ているところがあります。当記事では、80年代の状況と比較しつつ、今回の事態の展開について気づいた点を書いていこうと思います。

中国政府とダライラマ14世率いるチベット亡命政府は、1979年から時には水面下で、時には準公式的な形で接触を保ってきました。しかし、チベットの地位や領域、高度の自治を求める亡命政府に対し、中国は「チベット問題はダライラマの帰還をめぐる問題のみ」とし、それ以外の問題についての討議を一貫して拒否。両者の溝が埋まらない中、ダライラマ/チベット亡命政府は中国との直接対話ではなく国際社会に支援を求める戦略に転換。1987年には米国議会で、翌88年には欧州議会でダライラマが「チベット独立」を撤回した上で中国側に対話を呼びかける提案を発表しました。一時は中国側も交渉のテーブルに着く意欲を見せたものの、様々な条件をつけたため実現せず。こうした中で1987年以来、ラサなどでデモが行われていましたが、当局は強い姿勢で臨み、89年3月に戒厳令を布いて鎮圧。その後も対話継続に向けての取り組みは両者の間であったものの、天安門事件やダライラマ14世へのノーベル平和賞授与に対する中国側の反発などもあって、対話プロセスは頓挫してしまいました。

・・・と、ざっくりまとめるとこんな経緯でした。

今回も、2002年からダライラマ14世の特使と中国側の間で年に1回のペースで対話が行われていました。2005年頃にはかなり突っ込んだ話し合いもあったようですが、その後中国側は態度を硬化させ、対話のセッティング自体が難航しているような感がありました。このような状況の下で、昨年はダライラマ14世に対してブッシュ大統領も同席する中で米議会からゴールド・メダルが授与されたり、ドイツのメルケル首相との会談を実現させたりと、国際社会の支持獲得のための活動が活発に展開されました。しかし、ここでも中国側は姿勢を変えないばかりか、チベット仏教の高僧の転生を政府の許可制にするなど、管理体制の強化を進めてきました。今回のデモも、このような対話プロセスの手詰まり感と締め付けの強化を背景にあったものと考えられます。

とはいえ、80年代の展開とは異なる点もあります。

第1に、情報伝達の速さ。87~89年のデモのときも現地に滞在していた外国人観光客などが撮影した写真や証言が事件を伝えるのに大きな役割を果たしましたが、今回は文字ベースの報道はもちろん、映像がYouTubeなどの動画サイトでアップされて閲覧できるなど、中国側が取り締まりきれないスピードと範囲で情報が世界中を駆け巡っています。

第2に、国際社会における中国の地位向上。情報が迅速に伝わるからといって、各国が具体的なアクションを直ちにとるという状況には今のところなっていないようです。この20年で急速な発展を遂げ、今や世界経済において欠かせない存在となった中国という国を考えれば、チベット情勢が現状程度であれば「事態を注視している」といった穏当なコメントで、事を荒立てずに済ました方が得策、ということなのでしょう。

第3に、北京オリンピックを控えた今というタイミング。中国としては国内の不穏な動きに対して断固とした姿勢をとることで「安定」を最優先させたい一方、チベットに対して今回も戒厳令を布くような事態に発展すればオリンピック開催に対して懸念する声が海外から出かねないだけに、あまり手荒な真似もできないというジレンマがあるという印象があります。

ちなみに3/18には、中国の全人代(国会に相当)が閉幕し、恒例の温家宝総理による内外報道陣との記者会見が行われます。海外メディアからチベット情勢についての質問が出るのは必至と思われるので、どのような内容になるか注目したいと思います。これまでの中国の基本ラインから大きく外れるようなコメントはしないとは思いますが。。。

【報道】「天安門広場にチベットのポタラ宮 ミニチュアですが」(朝日新聞)

中国の建国記念日である国慶節(10月1日)に向けて、北京・天安門広場にポタラ宮のミニチュアが出現したとの記事が9月16日付『朝日新聞』に出ていました。

「天安門広場にチベットのポタラ宮 ミニチュアですが」

写真も付いてるんですが、それを見るとチープなシンプルなセットのポタラ宮が確かにありました。背後にあるのは人民大会堂ですね。これって、天安門広場にポタラ宮だけこんなミニチュアが作られてるんでしょうか。だとすると結構目立つような・・・。記事によれば、高さ10メートルというから、ミニチュアとはいえ、なかなかの大きさのようです(ちなみにラサの本物は約117メートルだそうで)。

【書籍】『チベット・中国・ダライラマ』

アマゾンで「チベット」というキーワードで新刊書を検索していたら、面白そうな本を発見。

『チベット・中国・ダライラマ チベット国際関係史 分析・資料・文献 』

浦野起央先生の手になる資料集のようで、清朝の頃から最近の青蔵鉄道開通までを網羅的にカバーしているとのこと。紹介によれば、主要資料の他、「チベット文献1600点を網羅。チベット年表1300項目、人民日報の主要記事リスト。事項・人名・寺院・地名索引を付す」とのことで、これは是非入手しないと!と思ってショッピングカートに入れようと思ったその矢先、値段に目をやると、そこには「26250円(税込み)」という記載。え、ゼロが1個多いんですけど・・・。ってのは冗談で、さすがにこれだけの内容ならそこそこ値が張るのは仕方ないかなと思ってたんですが、ちょいと躊躇してしまいます(^_^;)
大学の図書館に買ってもらえるまだ待ったほうがいいのかも・・・。でもそれだといつになるかわかんないし。うーん、かなり悩ましいところです。

TIPA(チベット舞台芸術団)東京公演(7/10)

この夏、ダライラマ法王の誕生日を記念して、TIPA(Tibetan Institute of Performing Arts、チベット舞台芸術団。1959年にダライラマ法王によって設立)による公演が東京で行われるそうです。

日時:7月10日(月)19:00開演(18:00会場)
会場:ゆうぽうと簡易保険ホール
チケット:前売券6,000円、当日券6,500円

公式サイトは→こちら

上記サイトによれば、今回来日するのはTIPAのトップスター16名で、公演ではチベットオペラの一幕、仮面舞踏、ヤクの踊りなのだが披露されるとのこと。
月曜日ってのが何ともですが・・・滅多にない機会だと思うので、ご関心のある方は是非!

Appendix

プロフィール

ryohei

  • Author:ryohei
  • 大学院で現代チベット研究をしています。
    4年前、中国・北京で仕事をしていたときに何故かチベットに
    目覚めてしまい、今に至ります。

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